義理の姉との7日間生活

同人

義理の姉との7日間生活-9年後- hitomi

【注意】
この作品は『義理の姉との7日間生活【総集編】』に収録されている加筆ページと同じ内容です。

【内容】
全95ページ
表紙:1p
裏表紙:2p
キャラ紹介:2p
本文:90p

あの出来事から9年後。
大学を卒業し社会人となったハルは、とある温泉旅館を訪れる。

ハルが◯◯歳の春、明音は何も告げず家を出た。
母からは「遠方に就職した」とだけ伝えられる。
電話も繋がらず、どれだけ両親を問い詰めても「明音に止められてるから…」と
何も教えてくれない。

それ以来7年間、ハルと明音は一度も会っていない。

それでもハルは、明音を諦める事はできなかった。
電話は当然出ないし、時々メッセージを送っても既読すらつかなかったが、
これでダメなら、明音の事は忘れよう…
そう決めて、彼は明音をこの旅館に呼んだ。

すると、明音からの返信が届いた。
「わかった」

日付と場所を伝えたものの、本当に明音がここに来る確証は無かったが、
数時間前に「着いたよ」とだけメッセージが届いた。

竹林を抜けた先にある離れの宿。
玄関には靴が一足揃えてある。

入試や就職の面接ですら味わった事の無い緊張を感じたまま、
室内に入る。

和風な外観とは異なり、内装は洋風な作りとなっていた。
ただ、中に居るはずの明音の姿が無い。

「スー…スー…」

微かに聞こえる音の方に視線を移す。
そこには、ベッドで横になった明音が寝息を立てていた。

正直、突然姿を消し、連絡も取ろうとしなかった明音に対して
思うところはあった。

ただ、今目の前で眠っている明音を見ていると、
抱えていたモヤモヤとした感情が霧散していくのを感じる。

それでもハルには、必ず伝えると心に決めていた事があった。

寝息が、止んだ。